2012年01月11日
第63回 2010年度診療報酬改定3
前回は、「2010年度診療報酬改定のポイント2」についてお話ししました。今回も引き続き、「2010年度診療報酬改定のポイント3」についてお話ししたいと思います。
外来/在宅医療の充実を目指す項目
2010年度改定では、「再診料」が病院、診療所間で69点に統一されました。病院にとっては9点のプラス、診療所にとっては2点のマイナスとなります。一方で「外来管理加算」の算定要件は5分以上の診療が必要とされたいわゆる5分ルールは撤廃されました。再診料が引き下げになった代わりに「地域医療貢献加算」が新設されました。これは休日・夜間に患者からの問い合わせや受診等に対応可能な体制を確保している場合は再診料に3店加算できる仕組みです。病院勤務医と開業医の待遇面等の格差是正のために診療所の負担を増やそうとしています。在宅医療の充実も図られます。従来、病院中心であった連携パスの点数評価が、診療所や200床未満の病院にも適用になります。「地域連携診療計画退院時指導料2」が新設され、地域連携パス導入医療機関(「地域連携診療計画退院時指導料1」算定医療機関)の患者の退院後の外来医療を提供した場合の算定ができるようになりました。在宅療養支援病院の算定要件が緩和され、200床未満の病院で、在宅療養の体制が整っていれば、周囲4キロに医療機関が存在していても良くなりました。往診料の引き上げも実施し、特に患者が乳幼児の場合の加算も新設しました。在宅医療は、病院入院患者の早期退院を促す効果が期待されており、入院医療の再建を水面下で支える役割を担っています。そのため、財源が乏しい中でも点数が増加される項目も多く、充実が図られているのです。
充実が求められる領域でのポイント
がん、認知症、肝炎などの分野に関しても充実を図っています。特にがん医療に関しては在宅や外来医療へのシフトを鮮明にしています。また、「がん治療連携計画策定料」と「がん治療連携指導料」が新設されました。これらはそれぞれ、入院医療を担う医療機関と、退院後を担う医療機関で算定できるもので、地域連携診療計画を策定し、それぞれが連携して医療を提供した場合に算定できます。連携推進により退院後に受けられる医療水準を高いレベルで担保し、安心して外来でのがん治療を受けられるようにしています。また、介護老人福祉施設入所者への外来化学療法の抗悪性腫瘍剤と注射剤の算定を可能にし、外来でがん治療を受けられる患者のすそ野を広げました。高齢化の進展で増加している認知症に関しては、早期発見やかかりつけ医による外来医療の充実を図る方向となっています。この方針に基づき、外来では、「認知症専門診断管理料」、「認知症専門医療機関連携加算」が新設されました。これは、前者は専門医療機関で認知症の鑑別診断を行い、療養方針を決定、患者に説明した場合に算定できます。後者は、外来で管理している認知症患者を必要に応じて専門医療機関に紹介した際に算定できます。
入院医療機関では「認知症治療病棟退院調整加算」が新設されました。これは文字通り、患者の退院支援計画策定とそれに基づき退院が出来た場合に算定できます。また、従来の「認知症病棟入院料」を「認知症治療病棟入院料」に名称を改め、従来90日以内と91日以上で点数が異なっていたものを、60日以内と61日以上と、境界となる日数を短くした上で点数を増やしました。
肝炎治療に関しては、副作用への不安などから治療途中での離脱する患者が少なくないことから、「肝炎インターフェロン治療計画料」を新設しました。これは肝炎治療の専門医療機関においてインターフェロン治療計画を策定し、副作用を含め説明を行った場合に算定できます。

