2011年12月27日
第62回 2010年度診療報酬改定2
前回は、「2010年度診療報酬改定のポイント1」についてお話ししました。今回も引き続き、「2010年度診療報酬改定のポイント2」についてお話ししたいと思います。
医療再建/病院勤務医の負担軽減を目指した項目
2010年度の診療報酬改定では、救急医療や産科・小児・外科等のいわゆる「医療崩壊」が指摘されている分野に重点的に点数を配分し、医療の再建を目指しています。2010年度は救急医療の再建のために、緊急入院した患者が5日以内に退院した場合に算定できる加算「救急搬送患者地域連携紹介加算(退院時1回)/「救急搬送患者地域連携受入加算(入院初日)」を新設しました。また、退院後の受入先を確保する意味もあり「救急・在宅等支援療養病床初期加算(14日以内、1日につき)」を新設しました。これは急性期医療を担う病院の一般病床からの患者の受入や、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、自宅からの患者を受入れた場合に療養病床で算定できるものです。救急医療の問題点の一つに、救急医療機関のキャパシティが取り上げられています。空きベッドがないなどを理由に緊急搬送を受け入れられないケースが少なくないのです。それを解消するために、救急医療機関には早期退院を促す診療報酬を新設、退院後の患者の行き先を確保するために療養病床に対しては受入を促す診療報酬を新設したのです。また、療養病床が自宅や福祉施設などからの患者を受け入れた際にも評価されるようにしていますが、容態が比較的安定している患者は療養病床が受け入れる事で、急性期病床が急性期患者への医療提供に専念できる体制を整えようとしているのです。
新生児医療でも、NICU(新生児集中治療室)満床時の緊急受け入れの際、2床までなら入院定員を超過できるよう要件を緩和しています。産科救急医療においては、母体だけでなく子の命も同時に救わねばならないケースも多く、母体と新生児両方同時に受け入れる必要があるのです。NICUの定員要件の緩和は、このようなケースには効果的な措置となるでしょう。その他、救命救急入院料や特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料など救急関連の診療報酬の引き上げ、算定要件緩和、新生児・小児患者受入時の加算の新設など、救急・産科・小児科医療の充実を図っています。
外来医療においては、中核病院の夜間・休日診療の負担を削減すべく、地域の開業医と連携し、救急患者を夜間・休日に受け入れる体制を整えている医療機関を評価する「地域連携夜間・休日診療料」を新設しました。これにより、特定の医療機関への集中が避けられると期待されます。また、院内で重症患者と軽症患者の色分けを行う「院内トリアージ加算」を新設し、医療機関内で患者の容体に応じた優先順位付けと重症患者が適切な医療を受けられる仕組みの構築を目指します。
2010年度改定では、チーム医療への評価も新設されました。「栄養サポートチーム加算」と呼吸ケアチーム加算」です。「栄養サポートチーム加算」は以前から要請が強かったNST(栄養サポートチーム)への評価であり、常勤の医師、看護師、薬剤師、管理栄養士がチームとして組織されチーム医療を実施した場合に評価されます。「呼吸ケアチーム」は医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士がチームとなって人工呼吸器を装着している患者へ、人工呼吸器離脱のための診療を行った場合に評価されます。

